魚資源の保護・・キャッチ&リリースとバーブレスフックその3

お届けした特集も今回が最後です。

キャッチアンドリリースが魚資源の保護に有効な手法として世に出たのが今から40年ほど前。

大阪の師匠が読んで実践してほしいと手渡してくれた冊子を抜粋して掲載させて頂きます。

Catch And Release Guidelines

キャッチアンドリリースのためのガイドライン(日本語版)

キャッチアンドリリースハンドブックに参画いただいた方々:

Roger Barnhart, Ph.D.  Robert Behhke, Ph.D.  

Rogert Black, M.D.    Charlie Brooks

Willis Evans                   Michael Frong  

Rick Hafele                    Roy Haile  

Harry Kime                    Lefty Kreh

Nick Lyons                     Frank Richardson  

Vince Ringrose, M.D.  Terry Roelofs、 Ph.D.

Marty Sherman            Mark Sosin  

Spencer Turner            Ted Trueblood  

Lee Wulff                      Gordy Young

*Ph,D.=Doctor of Philosophy  博士号

* M.D.=Doctor of Medicine   医学博士

初版の製作委員会 Marty Seldon, Clyde Richie and Dick Hall

2版の製作委員会 Starr Thurston and George Johnson

3版の製作委員会 Treey Lyons and Jim Abbs

イラスト Richard Bunse

 

 

日本語番翻訳 奥田 孝男

日本語版編集 垣内 敬造

監修     森田 多加志

 

 

Federation of Fly Fishers(以下FFFと略記)では、魚資源の保護の為にキャッチアンドリリースが有効なレギュレーションだと考えています。

しかしながら、レギュレーションを頑なに守ることそのものが目的ではなく、あくまで魚資源を保護することこそ重要です。

私たちはこのハンドブックでキャッチアンドリリースの正しいテクニックを皆さんにお伝えすることを通じて、あまねくキャッチアンドリリースのレギュレーションを広め、貴重な対象魚たちを保護することにつながれば、と考えています。

皆さんのホームグランドである釣り場でこのレギュレーションを広めるに当たっては、地域の役所やFFF関連のクラブやFFFの地域担当とご相談ください。

このハンドブックは1984年にFFFのメンバーが主体となって初版を世に出しました。

この仕事にご協力をいただいた方々のお名前を最初に列挙しました。

このかたがたのおかげをもって、バーブレスフックを使用し、魚を殺すことがないキャッチアンドリリースの考え方を世界中のスポーツフィッシャーマンに広めることが出来たと感謝しています。

おかげさまで、昨年1年間で1万冊を出版することが出来、ここに第3版を皆さんにお届けすることになりました。

最後に、初版と第2版の出版に拘わられた Marty Seldon, Starr Thurston, George Johnson の諸先輩の努力に感謝いたします。

彼らの労作がなければ、今日、この第3版はなかったと思います。

Tight Lines,

Guy Tillotson 上級副会長

 

 

 

INTRODUCTION

 

Lee Wulff、1984

かつて、我が国のワイルドトラウトの釣りは世界一といって良かったと思います。あまりにも多くの人々が、あまりにも多くの魚を殺してきたために、釣り場は荒れ放題になってきました。ヨーロッパのプライベートストリームでは、釣り場に入る事ができる人数を制限するなどの管理を通じて、釣りのクオリティを守ってきました。そして、まだそこには最高の釣りを約束してくれる最高のストリームが残っています。「魚を殺さないこと」が庶民中心である我々アメリカ人の方法でした。これはヨーロッパの貴族中心の釣とは異なった考え方です。「魚を殺さないこと」は我々の夢、たくさんのそして大きな魚を釣りたいという夢と相反するものではないはずです。将来、多くの釣人が何度もリリースされた賢い魚を相手にすることになるでしょう。これこそ、最もチャレンジブルな釣ではないでしょうか?CatchandRelease以外にこれを実現する方法はありません。

 

RODERICK HAIG-BROWN,FISHERMAN’S SPRING誌、1974年

バッグリミット(訳者注:バッグに入れる制限数=殺しても良い魚の数の制限)の効能の最たるものとして、このルールが釣人のスポーツを通じて得られる喜びを阻害するものではないと言う事です。

 

SPORT FISHING INSTITUTE,1987年

志の高い釣人こそ、本当の釣りの楽しみを知っていると思います。釣りの楽しみとは、ストリンガー(訳者注:釣った魚を繋いでおくロープとクリップで出来た道具)の重さで量るものではなく、釣りに難しい状況を克服して手にした特別な魚によって得られるものだということです。願わくば、この貴重なパートナーをリリースしたいものです。

 

 

CATCH&RELEASE FISHING

 

Alasaka,WestYelloestone,TexasのSamRayburnLake,NewYorkの小規模河川、Iceland北部に至るまでサイズリミット(訳者注;小さなさかなをリリースするリミットもあれば、大きく育つ遺伝子を保護する為に大きな魚をリリースするレギュレーションもある。釣り場のそれぞれの特色が興味深い)、バッグリミットが魚資源の保護に有効であった事例は少ないと思います。大きく育つ魚から釣人に釣り切られ、釣りのクオリティは下がる一方です。キャッチアンドリリースのテクニックを正しく定着させることにより、魚のアベレージサイズが大きくなり、魚の絶対数が増える為に魚に巡り合えるチャンスも増えるとFFFでは考えています。

いかに素晴らしいコンセプトにも限界があるようにキャッチアンドリリースも万能ではありません。例えば、むやみやたらにブルーギルを小さな池に放しても既存環境を荒らすだけで良い釣りをもたらしてくれるものではありません。(訳者注;北アメリカでもブルーギルが害魚扱いなのが興味深い)。しかしながら、多くの種、ブラックバス(訳者注:北アメリカではブラックバスは在来種であることに注意)、バショウカジキ、トラウトやサーモンの仲間などを対象とする釣においてはキャッチアンドリリースこそ、釣りのクオリティーを高めることができるのです。

いかなる釣人でも、キャッチアンドリリースを行う事が出来ます。次の世代にたくさんのそして大きな魚を残す為に、我々FFFはルアー釣り、餌釣り、フライフィッシャー、全ての釣人にキャッチアンドリリースを勧めています。ここでいうキャッチアンドリリースとは「魚を殺さない」事のみならずサイズリミットやバッグリミットも含んだ考え方です。我々の最終目的は、様々な社会的地位や年齢層の釣人たちが自律的に健全に獲物を分かち合えることであり、その方法そのものは重要ではありません。

キャッチアンドリリースも、正しくリリースするテクニックが伴わないと意味がありません。この小冊子は魚をストリームに、川に、池に、湖にそして海に正しくリリースするテクニックを解説しています。

この小冊子は100以上にも及ぶ世界中の団体に対して調査した結果生まれたものです。これらの団体は、キャッチアンドリリースの趣旨に賛同的であることは言うまでもありません。キャッチアンドリリースは本当に有効な手段です。

 

FIGHTING YOUR FISH<魚とのファイティング>

疲れきるまで魚とファイとしては台無しです。適切なパワーを持ったロッドを使い、すばやくランディング出来るようにしましょう。出来る限り太目のリーダーを使いましょう。ライトティペットを使う際は、すばやく取り込むようにしましょう。これは、冷水性の魚を水温が高い状況で釣る際、とても重要です、魚を掴む際にはショックを与えない為に、しっかりと且つ優しく。ライトタックルを使っている際には、ラインを切る勇気も必要になることがあります。 魚は注意深く取り扱うこと。時としてウィードの上を滑らせ、深みに入り困れるリスクを負いながら魚を取り込むテクニックが必要になることもあります。小さな魚は頭を水面から上げて近づいてくることもありますが、魚の口を開いた状態で引き寄せてはいけません。

 

LANDING A FISH<ランディング>

ンディングの際は、出来れば魚体を水面から上げずに水中にとどめたままにするようにしてください。岩の上や浅場で魚をばたつかせておくのも良くありません。ボートやフロートチューブを使用する際、あるいは大きな魚をランディングするには、ネットを使うと効果的です。しかしながら魚が小さい時やルアーにマルチフックをつけているとき等は逆効果です。小さな魚は手でランディングしましょう。ネットで魚の目を傷つけたり、魚の膚を守っている大事なヌメリを取ってしまう恐れもあります。

SALTWATER AND DEEP LAKE FISHING<ソルトウォーターと湖での釣り>

ソルトウォーターや湖の深場の魚を釣る際には、水圧差で浮き袋が膨らんでしまう事に注意が必要です。潜水病と同じ症状です。そんなときは、ピン、針もしくはナイフの先を使って、浮き袋の空気を抜くと効果が出ることもありますが同時にこの方法は魚を殺してしまう可能性もありますので注意が必要です。特にソルトウォーターでの釣では魚の息が切れる前にラインを切るのがベストです。 鮫はソルトウォーターの脅威です。掛けた魚に鮫が近づいてきたらドラッグを緩めて魚を自由に泳がせてやってください。時にはドラッグを強めるかラインを切って魚を逃がす勇気も必要です。

 

HOW TO HOLD YOUR FISH<魚を掴むには>

魚を掴む時には頭を下にします。尾のすぐ前の部分を優しく掴みましょう。また、縦にして掴んでも魚にダメージを与えます。

鰓に指を近づけない、また目を押さえないようにしましょう。魚はおとなしくしませんし、逆に致命傷を与える恐れもあります。

 

内臓を痛める恐れがあるので魚の胴の空洞になっている部分を圧迫しないようにしましょう。エキスパートは時としてウールや綿の手袋をはめて魚を取り扱うものです。

バスを掴む際には、下顎を親指と人差し指で掴むのが良いでしょう。小さいトラウトなどは同じように掴むのが良いようです頭を下に向けると魚はおとなしくなる傾向にあるようです。この性質を利用してフックをはずす時に応用すると良いでしょう。

 

もし魚の写真を撮りたいならば、いつもカメラをスタンバイさせておくようにしましょう。可能ならば誰かにシャッターを切ってもらうか、魚を持ってもらうようにしましょう。魚は水から揚げないようにしましょう。重さを量りたいならば、ネットに入れたままにしましょう。魚をリリースした後で、ネットの重さを差し引けば良いからです。

 

REVIVING AND RELEASING YOUR FISH<魚を蘇生させ、リリースする>

魚を水に投げ込まないようにしましょう。優しく掴んで水に返してやりましょう。魚を水から離す時間は最小限にしましょう。水から離す時間が長引くほど魚を殺す確率が増えます。上手くリリースするためには、魚の取り扱いと、水から離す時間が最も重要な要素です。

 

息の上がった魚を蘇生させるには、魚体を流れの中で支えてやり、鰓が活動を再開するのを確認して、魚が元気を取り戻し、自分の体を自分の力で支えることができるようになるまで補助してやります。自分の力で、支えの手から脱出してゆく魚も見かけます。

流れの緩いところで魚をリリースしましょう。浅場でリリースするようにすれば、リリース後に魚が元気をなくしても、また支えてやることが出来ます。

 

ストマックポンプで胃の内容物を確かめるのはお奨めではありません。正しいテクニックを身につけずにストマックポンプを使うと、魚に致命傷を与えてしまう恐れがあるからです。

 

HOOKS<フック>

私たちはシングルのバーブレスフックの使用を強く薦めています。プライヤやフォセップスを使って、バーブを折るのも一つの手です。また、FFFではステンレスや金メッキのフックを使用しないようにも薦めています。ラインブレイクや、魚にフックが刺さったままラインを切ったような場合でも、通常のフックだと早く錆びて抜け落ちるからです。

 

GENERAL FISHING GUIDELINES<その他のガイドライン>

口に掛けたフックは外しやすいのですが、深く飲み込まれたフックは外すよりはむしろできるだけフックの近くでラインを切ったほうが魚に与えるダメージは少ないようです。

 

魚が暴れてボートなどに体を打ち付けないように注意しましょう。ギャフを使う必要がある場合はリリースギャフを使ってください。ギャフは下顎を口の中から外に向けて打ってください。魚が自力で泳げるようになるまで、出来る限りのサポートをしてあげてください。

 

 

THE FEDERATION OF FLY FISHERS

P.O. Box 1595 Bozeman, MT 59771

800-618-0808

 

FFF JAPAN / KANSAI FLY FISHERS

542 大阪市中央区日本橋2-8-16-501

Phone 06-634-30××

Fax  06-634-47××

Catch And Release Guidelines

キャッチアンドリリースのためのガイドライン(日本語版)

 

私は大阪在住時にこの監修をされた森田氏と初めて会いました。

そして短い期間でしたが大変有意義な時間を過ごせたと思っています。

この記載は故森田氏に捧ぐものとします。

 

初版の1984年から約40年・・キャッチアンドリリースは正しく実践されているでしょうか

河川環境の維持と保全、キャッチアンドリリースで無暗な放流に頼ることなく在来魚を保護しましょう。

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