阿寒クラブの酒にまつわるエトセトラ
1年を通して僕は酒を呑む。
酒とは日本酒のことだ。
僕は日本酒という言い方はあまり好きではなくて酒といえば日本酒という具合だ。
ビールは酒ではないしウイスキーや焼酎も酒ではないことを念頭に置いて以後、日本酒は酒と呼び書く。
夏場はハイボールも呑む、焼酎だって好きだし、ビールは酒前酒?
若い頃に比べるとさすがにこの年になると随分と飲めなくなった、すぐにいい気分になって眠くなる。
だからお気に入りのおちょこやグラスでちびちびやるのが丁度良くて、まさに寝酒。
1年中生まれる酒だが、特に春は飲みやすい酒が多いと思う。
「しぼりたて」とか「生原酒」とか「にごり」とかどの銘柄にも出てくる酒の季語だ。
僕は特に新潟産の酒が好きなので新潟は村上市にある地酒の店たむらさんから仕入れている。
こちらの店では1年に7回ほど酒カタログ・・というよりもほのぼのとして手作り感満載の酒雑誌・・が送られてくる(ちろんWEBもある)
今更紙媒体・・と思うかもしれないがこれが実に味わい深いのだ。
正直なところ新酒に関する情報はネットやSNSの方が早くてたむらさんも苦労しているだろうと思う。
不思議なもので新しい雑誌が届く頃に丁度僕の酒蔵(一人用冷蔵庫)が空になっていることが多い・・絶妙な塩梅なのである。
村上市には〆張鶴で有名な宮尾酒造と大洋盛がメインブランドの大洋酒造があり、ともに僕も息子も大好きな酒がたくさんある。
そしてこの雑誌のおかげで知らなかった酒蔵の酒を味わうことが増えてゆくのも楽しい。
長岡市の諸橋酒造の越乃景虎や新潟市の峰乃白梅酒造の菱湖もたむらさんカタログから知った旨い酒だ。
あまり銘柄を気にしないで昔から好きだった菊水酒造のアルミ缶菊水も新潟の新発田市の酒蔵だったりして。
書けばきりがないが柏露酒造のさんずいや北雪、鶴齢など一度は口にして唸っている酒が目白押し。
長岡市、朝日酒造の久保田は全国区、こちらは時々WEBでお世話になっている。
高級酒は手が出ないけれど春の純米吟醸にごりとスパークリングは家族用に今年も購入した。
そんな新潟酒が大好きな僕だがこの時期だけは特別に名古屋の萬乗醸造の醸し人九平次 うすにごりを予約して味わっている。
今年も昨日予約店から入荷の知らせがあったので引き取りに行って早速いただいてます・・もうこれ絶対旨いです。
うすにごりの名のようにグラスに注ぐとわずかに白濁している。
鼻を近づけるとなんとも甘酸っぱい香りが脳を刺激する。
青りんごとか白桃とか洋ナシとか・・酒のフレッシュな香りを表現する言葉、
どれも「まさに」と思うが僕自身のたとえは浮かばない。
酒米山田錦はどれもいい香りがするように思う。
ただ口に含んでからの舌触りはどの銘柄も独特で酒蔵のこだわりがそこにあるように素人ながらも思う。
いつまでも呑み飽きない味わいが続く酒である。
釣りの後に温泉に入って酒前酒を呑んだらあとはひたすら冷えた酒を呑む・・これを極上といわずなんというのだろう。
だから翌日の釣りは必ず出遅れるのだが、それもまたよしなのである。