昭和生まれはカタログが大好き。
商品カタログ、通販カタログ、そしてカタログ雑誌。
ちょうど僕が二十歳のころに創刊されたのが雑誌「ポパイPOPEYE」だ。
カタログ雑誌という新ジャンルのペーパーマガジンは当時の僕のようなミーハー男子を虜にしたのだ。
アパートの部屋には創刊からの雑誌が並んでいて新刊が出るたびに食い入るように何度も読み漁っていた。
ライフスタイルなんて言葉の響きに惑わされてアロハを買ってサーフボードも買って海へ繰り出した・・・思い出すだけで笑います。
その後は出るわ出るわカタログ雑誌の一大ブーム。
さらには海外のLLビーンやREIなどのカタログも紹介されて通販でテントやシューズなんかも結構買っていました。
船便だと発注してから手元に来るまでに1か月から3か月くらいかかって、半年なんて言うのもあった。
けど楽しかったなぁーあの時代は。
あの頃僕がカタログで買っていた物には「夢」や「希望」とか形のない付録がついていたのだ。
手元にある2001年の英語版のカタログはフライフィッシング専用のものだが、オービス同様に中身の写真にワクワクしたので今でも手元にある・・・ときめくものは捨ててはいけない。
2013年初めてアウトレット品を購入したときに日本語版カタログの送付を頼んで以来定期的に送られてくる。
環境問題を重視しているパタゴニアに紙のカタログというと違和感を感じるかもしれないが当初は印刷用インキにエコなものを使用していたが2014,5年頃からは100%再生紙を使うようになっている。
環境問題は個人も企業もその目標目的を共有して臨むことが大切だと思う。僕がパタゴニアを身に着けていることはそこへの取り組みをこの企業と共有していることにもなると勝手に思っている。
僕の場合はフライフィシング、ランニング用品以外はあまり興味がないので届いたカタログにそのシーンがなければほとんど目を通す程度だが、その文言につい目が止まってしまう。
例えば
最高の機能を 最小の悪影響で ・・・これは素材について
機能性と地球を天秤にかける必要はありません・・・ネオプレンを天然ラバーに変えたことについて
キャッチ&リリース リサイクル&リユース・・・魚を守る、自然を守る
ついつい「なんじゃろな」と読んでしまう。
大抵は素材の開発やリサイクルについてが多いのだがいつのまにか読ませてしまう。
生産販売している商品について機能性は最高であるからあとはその素材がいかに地球にやさしいものだよと述べているのである。
毎号毎号しつこくこの点をグイグイ責めてくる。
着ている我々もこの部分を理解して自慢してグイグイ伝え責めるべきなんじゃないか。・・きっとこの会社もそれを願っているはずだと思う。
環境へ最小の影響で作った高機能ウェア。
だが出来上がった製品は素材であったり縫製であったり研究と工夫を重ねて生産してもそれが全て完ぺきな製品になるとは限らない。
企画研究段階の効果が全ての製品に保たれていないこともあるし、素材や縫製ミスなど不良品も発生する、ユーザー側の思いもよらない使用方法によるトラブルもあるだろう。
これらのトラブルにもリペアなど責任を持って対応しているのはリサイクル、リユースの精神からすれば特別ではなく基本事項なのだろう。
だから僕らもそこについては特に感動する必要はない。直して着る、修理して使用する、それを普通に続けてゆけばいいのだ。
新品だが型落ちのリオガジェゴスを初めて購入したときトラブルがあった。
購入して最初の進水式でそのウェーダーは股から「漏れた」・・新品にもかかわらず
水の冷たい10月の阿寒湖だった。リペアキットを持参していたのでその場で修理したがまた次の日も漏れた。
流石にこれはいかんということで札幌のお店へ持ち込んだ。
リペアセンターから電話があって「漏れた個所が3か所あるので修理した」とのことでひと月ほどで戻ってきた。
翌年3月に川へウェーダーを連れ出したが別の個所・・足首から浸水した、オイオイ・・・
また持ち込んだが今度は検査と修理に時間がかかるとのことだったがそれは困る!と伝えると代替えウェーダーを出すという。
1週間ほどで届いたウェーダーはリオガジェゴス2代目の新品だった。
結局2度目の漏れチェックで漏れた個所が修理不能・・・素材に問題があったようだ・・・ということで新品ウェーダーが少々の追加金額でそのまま僕のものになった。
この製品で漏れはなく快適に3年を過ごしたがその後ピンホールなどで漏れが発生して修理を何度か繰り返した。
さらに2年後漏れで修理にだすと劣化により素材の剥離が始まっているので修理ができないといわれて諦めて3代目を購入し現在に至っている。
厳しい環境で使う製品は劣化スピードも速く、何よりも不測の事態で破損することも多い。
最強の素材ですら壊れることがある。物は壊れる・・仕方のないことだ・・で諦めないこと・・それがリスタートになる。
これが漏れるようになるとスイフトカレントになるのかな・・・待ち遠しいような、そんな時が来てほしくないような・・だって環境にやさしくても我が家のお財布には・・・
パタゴニアから届いたカタログは一通り目を通してお気に入りの雑誌と共に本棚に・・・時折思い出したように読んでいる。
「思うに任せて物を買うことは地球環境の為にならないのだよ君!」「使い続けてこそなんぼのものなのだよ!」とこのカタログに潜むパタゴニアの神様が活を入れてくれる。
パタゴニアのカタログは今の地球とこれからの地球が描かれている。