久しぶりに海アメマスのプリプリした感触を手にすることができた。
松前半島を江差から上がって行くと海岸線にはたくさんの釣場が待ちかまえていてどこへ入ろうかと悩む。
体は一つ、常に「一期一会」の機会しか与えられていないのだから。
そんな時に選ぶのは自分の好きなスポットとなるのは釣り師であれば当然だ。
しかしこの選択が正しいという確信があるわけではない。
釣り座へ向かう途中に波や風や漂う気配などに「あそこにすればよかっただろうか」などと悩むことも多い。
今年に入ってからの自分の釣果を思えば選択の良し悪しを判断できるほどの自信はないが今日に関しては風向きや潮の雰囲気は良いように感じていた。
赤い岩がゴツゴツしていかにもプライベートな空間に思える二越川赤岩(阿寒倶楽部オリジナルスポット名)
目の前には根や岩が黒いストラクチャーを形成していてその前後をアメマスが泳ぐはずだ。
ロングキャストの必要もなく適度な水深は根がかりも深刻ではない。
松前ブルー?エメラルドグリーン?とでも言えばいいだろうか、美しい海の色だ。
玉砂利の浜は歩きやすく立ち位置も安定感が抜群だ。
タックルは11フィートの6番スイッチロッド。
ラインはレイジコンパクトのフローティングボディに2mほどのシンクティップを接続してその先は2mほどの2Xティペット。
フライは勿論オリジナルのHigeフライ、べーズヘッド仕様のストリーマー6番Olive&Red。
キャスト後にカウントダウンするのはシンクティップをぶら下がるように沈めるためだ。
リトリーブスピードは遅い、フライを十分に見せて引いてくる。イメージは小魚ではなくてシュリンプとかスカッド・・と思っているが実際のところは分からない。
ヒットはアメマス任せで「グイッ」と抑え込まれるのでロッド出合わせる、距離が近いのでこれで十分フッキングできる。
大きなアメマスも釣れるのだろうが僕のここでのアベレージは50前後だ。
6番ロッドという選択はアベレージサイズとはいえ強靭な体躯の海アメマスのファイトと波打ち際でのやり取りは十分にスリリングだ。
2本の素晴らしい海アメマスと1本の子アメだったが僕としては「出来過ぎ」の結果だった。
今年最初のアメマスが見事なマッスルボディーの海のトラウトだったのだからね。
久しぶり、10年の時を感じないくらいに楽しい1日だった。
ただ、10年前とは様変わりしているのも事実だろう。
平日とはいえ釣り人の数は少ないように感じた。
北海道全般に言えるのだがこの地でもアメマスの数は激減している。
気候変動による環境の変化が最大の原因と思われるが、このところ噂が絶えない漁業従事者による駆除だったり、海岸線や河川の工事による環境悪化も目に見えて増えている。
これらに対する我々釣り人ができる対策が何であるのか考えなくてはいけないのだろうと思う。
守るべき対象は日本、北海道が誇る生粋のネイティブトラウトはアメマスなのである。