阿寒川のフライフィッシングガイドのお話

阿寒川でガイドをするようになって3年ほどになる。

もともと阿寒川の釣りに対しては「乗り気ではなかった」阿寒クラブ。

理由は、同じように思う釣り師も多いと思う。

虹鱒が美しくない・・そのような個体が多い。

放流が多くて沢山簡単に釣れるので面白くない。

人が多いので釣り場を探すのが面倒。

・・・などなど

他にもいろいろあることでしょう。

なので阿寒湖ガイドのゲストから「阿寒川のガイドもしてほしい」と依頼されたがいつもお断りした。

理由は僕の阿寒川の釣りはどちらかといえば下りながらウェットかストリーマー流す釣ばかり。

釣れるけれどドライフライで釣りたいと願うゲストの要望には応えられるかわからないというのもあった。

ニンフの釣りにしてもルースニングはその昔、道東河川のアメマス釣りで嫌という釣りまくった経験が

「ルースニングは初心者がやればいい」と舐めている自分がいた。

 

なので阿寒クラブは阿寒湖で30年ほど釣りしているが、最初の1年間は阿寒湖が釣れない日中、何時間か釣りをしたくらいである。

1日だけ、ホテル跡から入渓して雄寒橋手前の今でこそないが吊り橋(今の鉄塔)まで釣り下ったことがあった。

湖用の6番ロッドで何度もティペットを切られながらも虹鱒を数えきれないくらい釣った。

それ以後阿寒川は友人と何度か来てもホテル跡前後で遊ぶ程度で真面目に釣りをしたのはこれが最後だった思う。

僕にとっては阿寒の釣りは阿寒湖であって阿寒川は含まれていなかった。

それほど阿寒湖の釣りは奥が深く、今でも僕に問題を投げかけてくるほどに面白い。

僕の釣魂に阿寒川が入ることはなかったのである。

なので阿寒クラブが阿寒川のガイドを受けることはなかった。

 

ある日のこと、ニュー阿寒ホテルの輪嶋さんを通じて中村ガイドと知り会う機会を得た。

専門のガイドさんと面識ができたことでゲストの阿寒川ガイド依頼には中村ガイドを紹介するようになった。

僕はカメラマンとして阿寒川ガイドに同行する機会が増えた。

不思議なもので自分が釣りをしているのとは違ってカメラ越し・・動画なので後でも見返すのだけどね・・

そこから見えた阿寒川の釣りは少し違った。

それは阿寒川が流れる阿寒の自然が大きく僕の脳にクローズアップされたことだ。

川面ばかり見ていた自分の目線が変わるだけでこれだけ大きく印象が変わるものだろうか。

なんてすばらしい阿寒川

その中で釣りができることの喜びを僕は人が釣りをする姿から感じられた・・まさにグッドフィーリング。

そんな話を中村ガイドにすると

「阿寒川の環境は世界にだって類を見ない素晴らしい世界だよ」と言う

「マリオ(マリオウジニッキ)をはじめアメリカから来た釣り人がまた釣りに来たいっていう川はそうないよ」

釣れる鱒の姿ばかりを気にしたり、釣れることへの不満を口にしたり、人の多さに不満を言ったり

・・何を見ていたのかと釣り人としての自分を情けなく思ったものです。

その日から僕の阿寒川は心に染み入る川となった気がします。

釣りを通して知る喜びは人それぞれだけど、深い森の中で知る自然の美しさは誰も感動させる。

僕のガイドは釣ることはもちろんだが、阿寒川のほとりを歩き織り成す四季の喜びを感じて頂ければと思う。

阿寒川の遊漁期間は5月1日から10月31日まで

6月から9月にかけての阿寒川は特に素晴らしいと思う。

森が川を彩る姿は感動を覚えるはずです。

なので僕のガイドは6月から(2024年は諸事情で8月いっぱいはガイド休止中)9月半ばまでを中心としております。

 

キャッチアンドリリース区間をめぐる2コース

四季の景色を釣りの中に組み込むとすれば阿寒川が始まる滝見橋からホテルラビスタまでの区間約6時間コース。

釣り場としての奥深さを味わうためのコースはホテルから雄寒橋までの8時間コース(僕は鉄塔までの6時間が限界ですが)がお勧めです。

 

そして阿寒川にはこんな虹鱒が潜んでいるのです。

ひれピンのゴーマル・・モンカゲニンフに出た1本

ひれも回復して2年くらいが過ぎているのだろうか、何度も釣られているであろう賢い個体はライズ箇所の下流でヒットしました。

ちなみに持っているのは阿寒クラブですが釣り人は中村ガイド(笑)

これがドライフライで3番や4番のバンブーやグラスに出るのだからたまりません。

おそらくライズがあっても釣れないので多くの釣り人はインジケーターフィッシングで釣ると思うのです。

ドライで釣れないことの理由を知ればそのライズもドライフライで釣れるのですが・・

ぜひともガイドのご依頼